学校生活での氣の活用 その2

 私の他にも先日一緒に岡村先生の研修を受けた剣道部、野球部、サッカー部、バスケットボール部の監督の先生方も「氣」の存在について色々な場面で生徒たちに話したり、指導したりしてくれています。その結果、「氣」が学校中に広まりつつあるのを実感します。先日も普段あまり時間が無くて話の出来ない女性教師のSさんから、生徒の日誌に「氣」のことがとても良く書いてありましたよ、効果があちこちで出ていますね、と言われて嬉しくなりました。 私は生徒に姿勢を良くして良い言葉を沢山使うように言っています。それだけで氣が出るのです。
 先生方の氣の研修(臍下の一点)

 <英語の授業と氣>
 私の英語の授業でも「氣」を入れて学習することの大切さを指導しています。音読をさせるときや、覚えるべき重要な単語を氣を入れて書くことの指導をしています。授業に入る前の挨拶のときにも、正しい姿勢で立たせて「臍下の一点」を意識させ、手をブラブラと振らせリラックスさせ、心を静めさせるのです。背筋を伸ばし、姿勢を正しくして座らせ大きな声で音読をさせるのと、ただ漠然と声を出すのでは、生徒の頭の中に定着するという意味でかなりの差がでます。実際、このやり方で、真剣に音読をしたり、書く練習をしたり出来る生徒は日に日に良い結果が出せるようになりました。このうわさを聞いた私が直接教えていない少年少女達が廊下で私を見かけると、「先生氣を教えているそうですね、教えてくださいよ」と声をかけてくるようになりました。今日も数名に放課後30程指導してきました。生徒達は定期テスト前なので「すごい!やったー!これでテストは大丈夫ですね!」というので「やる氣になって机に向かいなさいよ!頑張ってね!」と言ったら。「わかりました。有難うございました!」と元気に帰っていきました。生徒は実に素直でかわいいです。

 教師が氣の力を理解することは教育界にとっては大きいです。

 <生徒生活指導と氣>
 今高校生の生活指導のチーフを担当しています。6月にパルティノン多摩というホールで音楽祭がありました。他校の生徒とのトラブルが無いようにと思っていましたが。案の定ありました。他校の生徒で頭髪を茶髪に染めた6名の女子生徒と柄の悪い、タバコをふかした10数人の男性が、当校の生徒に因縁をつけて喧嘩を売ってきたそうです。その場にいた教師や父兄が辞めなさい、と言っても言うことを聞かず道をふさいでいると、K教師が私を呼びに来ました。私は彼らのところに行って「氣」で対応しました。「よし、君達は馬鹿じゃないんだから、この道の真ん中でトラブルを起こしても何も得をしないのは判るね。周りの人たちも迷惑しているよ。君達の学校や、家庭にも迷惑をかける前に、私と一緒に戻ろうね!一緒に行きましょう!」と言って彼らをなだめながら、彼らを約20メートル後ろに押し戻しました。「氣」で学んだことは、向かってくる相手の氣を知り、そのままぶつかるのではなく、来た瞬間にこちらの力を抜いてすっと相手の力をかわし「一緒に行くよ!」とその方向を変えてあげることなのです。その生徒達は「覚えてろ!」と言って帰りましたが、後日私がその生徒達の学校の校長先生に電話をして、じっくりと指導していただきました。
 <問題行動を起こした生徒を立ち直らせる氣の力>
 生活指導を担当していると色々な子に出会います。しかし、しかるだけでは彼らは立ち直りません。ある日、授業をサボって帰宅してしまった少年がいました。翌日担任の先生から時間がないので私のほうから話を聞き指導してくださいと言われて話を聞きました。その少年は最初からやる気の無いふてくされたような目で小部屋に座っていました。私が、どうしたの?と聞くと「やる気がしない、何をやっても自信がないし、母親には怒られてばかりで、いやになった。そんな母親を困らせてやろうと無断で早退した」というのです。
 私は話を聞いた後、「でもね、君は何も出来ない、自信が無いって言ってるけど、君にはこんな力があるんだよ」と心の力で出せる技、「折れない腕」をその子自身の腕で実験し、見せてあげました。すると、その少年の腐ったような目が一瞬で輝いてきて、ふてくされて座っていた姿勢に勢いを感じるようになってきたのです。ほら、君だってこんなすごい力を持っているんだから、やる氣になれば何だって出来るんだよ。君の好きなことは何?と聞くと「美術!」と即答するのです。私は「そうかそれではその美術がもっと楽しく上手になるようにしっかりと目標を持って頑張りなさい!」と言うと、彼の表情は最初に座っていたときとは一変し、「判かりました。有難うございました」といってくれたのです。そして、その場で、原稿用紙に二枚「これからは自分の好きな美術をもっともっと氣を入れて取り組みます」と書いてくれたのです。いい子は沢山います。でも、中には目標を失ってしまう子もいます。駄目だといってしまえば駄目になってしまいます。駄目な子にも何か一つは良いこと、好きなことがあるはずです。それを見つけて、やる氣を出させるのが教師の一番の役割だと思います。やる氣になったときの生徒の目は輝いて美しいものです。「僕は輝いている!」と目が訴えてくるのです。
これが「氣」です。
良い「氣」をクラス中に広めましょう。お互いがそれぞれ他人の良いところを見つけ、ほめてあげること、認めてあげること、そこから良いプラスの氣がクラス中に伝染していきます。