「心の教育」と「氣」

はじめに
「目に見えないものに頭を下げられる心を育てる教育」がなされない戦後教育が大きな問題となっています。今、何よりも先に見直さなければならないのは「心の教育」ではないでしょうか。全ての生き物は大宇宙の「氣」によって生かされていることを幼少時に教え、「感謝の心」を育てることから環境教育は始まります。
日本を代表する教育者故小原国芳先生の「全人教育」を標榜する本校は昭和4年以来80年間、ぶれることなくこの「心の教育」を実践してきました。今、日本の教育がどの方向に行くべきか路頭に迷う中、日本中の教育者の皆様や親御さんに本校は自信を持って「来たれ見よ!」と言うことが出来ます。本校は創立者小原国芳先生が「夢の学校」として80年前に、ここ武蔵野の大地に「全人教育」の名のもとに開校したものです。今こそ教育日本丸羅針盤となり、この国の行く先を示しているものと確信いたします。
 戦後の日本の公立学校教育に「心の教育」が忘れ去られて来ました。道徳教育や武道の精神を教えることも希薄になりました。これが我が国の最大の間違いであり、損失です。今、日本は経済問題以上にこの「心の教育」「精神修行」「道徳教育」を教育の第一の課題として手をつけなければいけないと思います。
人の心には良い心と悪い心があり、悪いこころに負けないようにという戒めの言葉は古くからあります。「心こそ 心迷わす 心なれ 心に心 心許すな」とは禅の境地を言ったもので、無心の状態、氣が全身に満ちている状態をいいます。今の日本人は、良い心を忘れ、迷いの心が芽生えているのではないでしょうか。良い心を取り戻すには日々感謝の心を持って、一日一日を明るく、積極的に生きることだと思います。大宇宙の氣によって自分が生かされていることに感謝し、明るく積極的な気持ちを絶えず持って祈りの生活をすることが大切だと思います。
 新約聖書、テサロニケ人への第一の手紙第5章には次のように書かれています。
15節:「いつも善を求めなさい。」
16節:「いつも喜んでいなさい。」
17節:「絶えず祈りなさい。」
18節:「すべてのことについて、感謝しなさい。
 本校には創立時から受け継がれている12の教育信条、「全人教育」、「個性尊重」、「自学自立」、「能率高き教育」、「学的根拠に建てる教育」、「自然の尊重」、「三位一体の教育」、「労作教育」、「反対の合一」、「第二里行者と人生の開拓者」、「24時間の教育」、「国際教育」があります。これら全てが「心の教育」です。
団塊の世代の一教師である私が退職を前にして、生徒達から教わることのほうが多かった38年間を振り返り、携わってきた「全人教育」と還暦の年に出会った「氣の活用」に感謝しつつ心から皆様方にご提案させていただきます。日本中の先生方、親への「教育問題の提言」として拙稿を書かせていただきました。日本の文科省の関係者、教育問題関係者、そして氣に興味をお持ちの方々にも是非読んでいただければ有り難いです。38年間私学教育に携わり今、教育とは難しくもあるが尊くて、やりがいのある素晴らしい仕事だと実感し、感謝する毎日であります。
有り難うございました。                 栗田和悦


日本人は古来太陽を神とし、感謝してきました。日本人とは何なのかをしっかり考える時が来ました。
 

 本日「心の教育」と「氣」と題する本、全280ページの初稿を完成しました。

拙稿完成は6月頃になります。宜しくご指導下さい。