ならぬことはなりませぬ

 会津士魂の原点・・・白虎隊の少年達が学んだ「会津藩校日新館」を紹介します。
1803年に会津の人材の育成を目的に建設されました。会津藩校日新館は「ならぬことはならぬものです」という会津魂を育んだ学問の殿堂で、失われてしまった日本武士道の根源です。「教育は百年の計にして会津藩の興隆は人材の養成にあり」と唱えられ、孔子を祀る大正殿を中心に文武の教場が並び、医学や天文学までも教えたそうです。教科は英語やフランス語をはじめ当時全国300藩中随一と自認するほどだったそうです。戊辰戦争で華と散った白虎隊の少年達はまだ日新館に在学中でした。
 本日は会津藩幼年者教育について全国の教育問題で悩んでおられる方に知っていただきたいと思い書いてみました。それは「什の掟」です。
子供の教育は子供達の掟の下にお互いがそれに従うこと、それが一番大事ではないかということです。
 思い出せば私も少年のころ奥会津の学校で、遊びの中でもルールを破れば仲間から「しっぺ」という罰を受けたものです。実はこの「しっぺ」は会津藩の子供達への教育であり、自分達への「ならぬことはなりません」という教えだったのです。教師の体罰ではなく、子供達自らがお互いに体で教えあっていたのです。「しっぺ」はそんなに痛いものではありませんがこれをお互いにやることにより「ならぬことはなりません」とお互いが自らを戒めていたのです。教師の体罰は絶対いけません、しかし子供がルールを破ったときの戒めは必要なのです。子供同志が弱いものいじめをしたり、約束事を著しく破ったらお互いの手のひらに軽く「しっぺ」でも良いではありませんか。一日が終わり帰りのホームルームでグループ10人が集まり、一日を反省してルールを破ったものがいないかを確かめ合う時間をとってはいかがでしょうか。子供達のほうが以外にも教師よりお互いを良く見ています。子供は子供の中でもまれることによって育つのです。大人はそのルールが正しいかどうかを見極め、決めてあげればいいのです。大人は「ならぬこと」を明確に提示すべきです。
什の掟
1、年長者の言うことにそむいてはなりませぬ
2、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
3、虚言を言うことはなりませぬ
4、卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ
5、弱いものをいじめてはなりませぬ
6、戸外で物を食べてはなりませぬ
7、戸外で婦人と言葉を交わしてはなりませぬ

 「ならぬことはなりませぬ」

 どうでしょうか皆さん、この中の1,2、3,4,5などを今の日本の子供達にもっと子供達自身の掟とし、これを明確に提言し、自分達で自分達の行動を戒めるようにしたらどうでしょうか。特に5に関しては早急に取り組んでほしいものです。会津藩ではこれを10人単位のグループを作り、帰宅の際にお互いに確認させていたというからすごかったですね。
 「優秀な人材を求める会社の一番の狙いは体育会系にあり」という記事を先日ある新聞記事で目にしました。先輩のいうことを絶対とし、鍛えられた若者は社会に出てへこたれることなく仕事に挑戦するというのです。

一つのヒントとして考えてみてはいかがでしょうか。

「日新館」の教えに感謝